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企業価値をup!! ジギョケイ(事業継続力強化計画)策定のススメ ⑤

2025.1.5

BCP・ジギョケイ

災害リスクを「見える化」して正しく怖がる!?

事業継続計画(BCP)の策定において、まず初めに取り組むべきは、自社が直面しうる災害リスクの「見える化」です。自然災害が多発する日本では、企業が自身の事業所に潜むリスクを的確に把握し、それに基づいて対策を講じることが重要。災害発生時の被害を最小限に抑える鍵となります。

たとえば三重県四日市市内では、南海トラフ地震により31,000棟の建物が全壊・焼失する可能性が指摘されています。この被害は、北勢地区全体の被害の約8割を占めるとされ、地域特有の災害リスクを明確に把握する重要性を物語っています。災害リスクの確認は難しいと思われがちですが、実は手軽に利用できるツールが数多く存在します。本記事では、その中でも特に実用性の高い2つのツールをご紹介します。

1. 重ねるハザードマップ
津波や土砂災害、洪水などのリスクを一目で確認できる国土交通省の提供する無料ツールです。このツールでは、地図上に災害リスクを色分けして重ねることができるため、自社の事業所がどのようなリスクに直面する可能性があるのかを視覚的に把握できます。
具体的な使用手順は以下の通り。

手順1: 重ねるハザードマップを開き、検索したい地点を検索
重ねるハザードマップは国土交通省の以下のリンクから開けます。
https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/maps/index.html
画面上部にあるウィンドウに、検索したい地点の住所を入力すると、一発で検索完了です。建物や地点の名称を入力しても検索できます。その場合、複数候補が示されるので、該当するものを選びます。今回は、四日市商工会議所の住所で検索しました。

手順2: 検索地点にフラグがつき、リスクの概要解説
今回検索した四日市商工会議所は、洪水や高潮で50cm〜3m、津波で50cm未満の浸水があることが概要からわかります。

手順3: 知りたい災害種別を選び、地点のリスクを把握
左上のボックスから、検討すべき災害種別のアイコンを選ぶと、リスクに応じて色分けやマークが付きます。津波、洪水、道路防災情報、避難所などの情報を重ねることができます。いざという時、どのような避難行動を取るべきか、検討しやすいですね。

地点ごとに異なるリスクを理解できるため、事業所ごとに最適な対策を立案することが可能です。

2. J-SHIS MAP
国立研究開発法人 防災科学技術研究所が提供する地震シミュレーションツールです。このツールを活用すると、事業所の所在地ごとに最大震度や地震波の特徴、津波の高さをシミュレーションすることができます。

手順1: J-SHIS MAPを開き、住所を入力して検索
J-SHIS MAPは以下のリンクからアクセスできます。
https://www.j-shis.bosai.go.jp/map/
左上の検索窓に、住所を入力して検索を開始。デフォルトの設定では「国土地理院」の地図で表示されていますが「Google」地図を右上のOverlaysボタンから選択することも可能。Google Mapで認識されている施設名などの情報でも検索できます。

手順2: 検索地点の情報をチェック
検索地点に青色のマークが付き、地震発生リスク別に色分メッシュで表示されます。検索地点をダブルクリックすれば、詳細な地震発生確率や最大震度などの情報が確認できます。

確認できる情報は詳細なため、建築設計業者など専門的な事業者の情報収集ツールとしてもオススメです。J-SHIS MAPの親サイト、J-SHIS地震ハザードステーション内で紹介されている他のツールでは、倒壊確率や死傷者の割合などのシミュレーション結果など、多岐にわたる情報を得られます。

初めてのBCP策定へのアプローチ

BCPを策定する過程は決して簡単ではありませんが、第一歩として災害リスクを「見える化」するだけで、優先順位を明確にしやすくなります。特に、今回紹介した2つのツールは無料で利用でき、操作も直感的です。これらを活用して、自社の事業所がどのようなリスクにさらされているかを具体的に把握することから始めてみましょう。

 

前回の「ジギョケイ」シリーズ解説③「ジギョケイ」シリーズ解説④でStep1の「事業継続力強化の目的の検討」をお伝えしました。これを踏まえて、今回はStep2の「災害リスクの想定」を解説。「ジギョケイ」シリーズ解説⑥より「ヒト・モノ・カネ・情報に対するリスクの確認」を解説します。

 

 

「ジギョケイ」シリーズ解説中。

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ケイパビルドは、2024年春より四日市商工会議所の会報誌「商工春秋」でジギョケイのコラボ連載を行っています。
6月号は「中小企業必見!! ハザードマップでリスクを軽減せよ」。是非ご覧ください。

商工春秋 6月号 掲載記事

 

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